映画『羊たちの沈黙』”ハンニバル・レクター”を知らしめた普及の名作【ネタバレ】

映画

言わずと知れたサスペンス映画の傑作『羊たちの沈黙』。

この映画を見たことがないという人でも、「レクター博士」や「ハンニバル・レクター」という名前を聞いたこはあるかもしれませんね。

今回は、そんな有名キャラクターを生み出した映画「羊たちの沈黙」について、「なぜ名作と言われるのか?」「レクター博士ってどんな人?」といった疑問についてもご紹介していきます。

FBIアカデミーの実習生が”レクター博士”の力を借りて連続猟奇殺人事件の犯人に迫るサイコサスペンス

引用元:amazon

映画『羊たちの沈黙』は、FBIアカデミーの女性訓練生が連続猟奇殺人事件のヒントを得るために、元精神科医で自身も猟奇殺人犯であるレクター博士と奇妙な交流を繰り返し、犯人像に迫っていくサイコサスペンスです。

▶『羊たちの沈黙』みどころ

それでは紹介していきましょう。

悪役なのに強く惹きつけられる”レクター博士”の圧倒的なカリスマ性

この映画のみどころは、なんといっても”レクター博士”(アンソニー・ホプキンス)のカリスマ的な魅力です。

独房の壁には自身が描いた緻密な絵画が貼られており、芸術に造詣が深いところがわかります。元精神科医だけあって、犯人像のプロファイリングや相対する人の精神分析はお手の物。多岐の分野に広い知識を持っており、天才的な頭脳であることが容易に感じとれます。

また、元貴族だけあって物腰は柔らかく食事シーンなどの所作も優雅。そんな紳士的な”レクター博士”が突然キバを剝く瞬間は、ギャップがものすごくてしびれるでしょう。

悪役にも関わらず根強いファンが存在し、その後2001年には”レクター博士”をメインにした映画『ハンニバル』へと続くのです。

クラリスとレクターの間に芽生える奇妙な精神的つながり

FBIアカデミーの訓練生クラリス・スターリング(ジョディ・フォスター)が初めて独房にいるレクターをたずねたとき、出自やFBIに入る経緯を分析してクラリスを精神的に追い詰めます。

しかし、帰り際にレクターの隣の独房の囚人がクラリスに無礼を働いたことから謝罪の意味を込めてヒントを提供。残忍な人柄のはずがクラリスに手を差し伸べる紳士的な一面が垣間見えます。

のちに隣の囚人を精神攻撃で自殺に追い込んだというエピソードは、クラリスを侮辱した仇のようにも思えます。

交流を繰り返すうちに、クラリスも自身のトラウマを告白することでカウンセリングを受けるような奇妙な精神状態に。

また、物語の終盤、見事に脱獄を図ったレクターがクラリスのFBI捜査官への任命を祝うためにわざわざ電話してきたところからも特別視している様子がうかがえます。

犯人と対峙したクラリスの研修生らしい緊張感に手に汗握る

連続猟奇殺人犯バッファロー・ビル(テッド・レヴィン)の家をそうと知らずに突き止めたクラリス。すぐに目の前の人物が犯人であると気づきますが、家の中で逃げられてしまいます。

訓練生であるクラリスが実地で犯人と対峙するのははじめてのこと。味方が誰もいない中、恐る恐るながらも果敢に犯人を追い詰めようとする必死さは手に汗握ります。

シリーズ化やたくさんのスピンオフ作品が誕生した名作

1991年に公開された『羊たちの沈黙』を皮切りに、数々のシリーズ作品やスピンオフ作品が公開されています。

▼シリーズ・スピンオフ作品

  • 羊たちの沈黙(1991年)
  • ハンニバル(2001年)
  • レッド・ドラゴン(2002年)
  • ハンニバル・ライジング(2007年)
  • ハンニバル(テレビドラマ)(2013年)

本作は、作品賞、監督賞、主演男優賞(アンソニー・ホプキンス)、主演女優賞(ジョディ・フォスター)、脚本賞と、ホラー・サスペンス映画の分野では珍しい、アカデミー賞主要5部門を受賞しています。

他には『或る夜の出来事(1934)』と『カッコーの巣の上で(1975)』の2作品しか主要5部門制覇していないことから、『羊たちの沈黙』が名作だと言われる所以もわかるでしょう。

映画『羊たちの沈黙』あらすじ

物語は、殺した人間の皮膚を剥ぐ殺人鬼「バッファロー・ビル」の事件解明のために、FBIアカデミーの訓練生クラリスが上司命令で、元精神科医で自身も連続猟奇殺人犯であるレクター博士のもとに訪れるところから始まります。

初めはクラリスを突き放すレクターですが、次第にクラリスに興味を持ち事件のヒントを与えていきます。

そんな中、新たに上院議員の娘がバッファロー・ビルに誘拐される事件が発生。クラリスはレクターのヒントをもとに犯人像にせまっていくのですが・・・。

作品詳細

原題:The Silence of the Lambs
日本公開日:1991年6月14日
監督:ジョナサン・デミ
脚本:テッド・タリー
原作:トマス・ハリス
出演:ジョディ・フォスター、アンソニー・ホプキンス、スコット・グレン、テッド・レヴィン、アンソニー・ヒールド

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